2009年11月09日

313.楽しみなミラノ

ホテルは駅に近く、概観は洒落た造りである。
部屋は広く豪華な雰囲気である。
「良い感じのホテルだな」
「香識さんが予約してくれたのよ」
香識は、春子の母の秋子よりもイタリアでの生活が長く、それだけ春子は香識を頼りにしているのであろう。
「この観光シーズンに、よくここが取れたな」
観光客に人気の高いこのヴェローナでは、相当前に予約をしないと取れないように、以前エレナから聞いていたから、真人は香識のコネが利いたのかなと思った。
「そうね、頼んだのは1ヶ月前なのにね」
「香識さんは、顔が広いんだな?」
「豊富な人脈をお持ちなのよ」
やはりそうだ。
「ますます、香識さんに興味がわいてきたよ」
「人脈だけではないのよ。まだ真人には話していなかったけど、色白の美人なのよ」
「春子のお母さんよりも?」
「ずっと、ずっと美人よ」
「じゃあ、相当の美人なんだ。だって、春子のお母さんは、春子を見ていると想像できるもの。似ているんだろう?」
「そうね、わたしよりも魅力的よ」
秋子は美人で魅力的。そう聞くと真人は、明日のミラノが待ち遠しくなった。
「二人とも美人だったら、会社の方も人気があって、グングン伸びているんだ」
「その辺りは、良く分からないけど、かなり余裕みたいよ」
「社員も、徐々に増えているのだろうな」
「香識さんと、母と、もうひとり若い女性の3人がデザイナーで、後は工房に数人いる程度よ」
「・・・」
「真人、皆に会いたくなってきたでしょう?」
「そうだな。明日、会えるのを楽しみにしているよ」
話しながら、二人は入浴の準備を始めた。
春子が浴室を見てくると、
「広いから、一緒に入りましょう」
と、言って、はやくも、思い切り良く裸になった。
真人も裸になり、春子の後に続いた。
posted by シーサン at 14:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月08日

312.楽しみが詰まった街

列車がヴェローナ中央駅へ近付くと、真人は何となく胸騒ぎがした。
数日前に訪れたばかりであるからか。
否、それだけではない。

エレナの家のことが鮮やかに甦ってきた。
そして、エレナの明るい笑顔が浮かんできた。
エレナの二人の娘、カロリーナとアンナは、真人に懐いて離れず可愛い
真人は、この母娘といると自分の家族のような気がしてくるのだ。
エレナは、真人にとって特別の存在になりつつある。
エレナの優しさ、女性らしさ、淑やかさ、心の広さ、美しさには強く惹かれる。
真人の思いは、エレナに伝わり、心が通い合えるから多くを語らなくても、お互いに親しみを感じているのだ。
でも、広い家とはいえ、同じ屋根の下にいるシルビアとルイーザの誘いを、受け続けることができるだろうか。
ジュリエッタの家の中庭の奥にある「ジュリエッタ像」の右胸にタッチすると、幸せな結婚が出来るというので、シルビアはうれしそうに真人の目の前で触れて、喜んだいた笑顔が忘れられない。
真人の事業展開には欠かせなくなった、二人との関わりをなんとしても続けたい。
胸騒ぎがしたのは、それらが複雑に絡み合って、真人の頭の中を駆け巡ったからだ。

「真人、先ずホテルへ行きましょうね。それから観光をするんでしょう?」
春子は、下車の準備をしながら真人に、明るい笑顔で声をかけた。
「ロミオとジュリエット」の舞台ヴェローナは、春子の好きな街で、演劇学校訪問など楽しみがいっぱい詰まっているのだ。
ヴェローナの観光スポットは狭い範囲内にある。
観光となれば、ブラ広場へも行くことになるだろう。
そこは、古代の円形劇場遺跡アレーナがあり、目の前にはエレナの家がある、
真人は、ヴェローナへ来たことを春子に話していない。
仕事にかこつけて、どのように話そうかと迷っているうちにヴェローナに着き、話す機会を失ってしまったのだ。
だから、観光には躊躇いがある。
「ホテルでゆっくりしようよ」
春子は、ホテルで早くゆっくりしたいと思っている。
真人は、その気持ちを察していたから、そう提案したのだ。
「あら、良いの?・・・うれしいわ」
春子は案の定喜んでくれてよかった。
「夕食の時間まで、あまり間がないだろう?」
「ホテル内のレストランへ予約してある時間まで、あと2時間くらいね」
「ゆっくりするには、ちょうど良い時間だな」
「そうね、・・・」
そう言うと、春子はうれしそうにからだを揺らしながら列車を降りた。
posted by シーサン at 12:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月07日

311.イタリアの現状を考える

列車がボローニャを過ぎると、辺りは田園地帯に入った。
アルプスの雪解け水が、ポー川やその支流を潤して、この辺りの平原を豊かにしているのだろうな」
車窓を流れる緑豊かな畑の景色を見ながら、真人は呟いた。
「この地域は、イタリアの農産物の大半をまかなっている感じね」
「この地域に住む人たちは、食生活も豊かなのだろうな」
「季節には四季の変化があって、情緒があるのでしょうね。人柄も穏やかのようよ」
「詳しいじゃないか」
「香識さんから聞いた話しよ」
「香識さんに早く会ってみたいな」
どんな女性なのか、真人の関心が高まってきた。
「イタリアで長く生活しているから、詳しいわよ」
「楽しみだな。南北の違いも知りたいし」
それを知ることは、仕事を進める上でも大事なことだ。
「南イタリアは、トスカーナを除くボローニャ以南を指すみたいよ」
「イタリアという国は確かに南と北とでは、経済的富裕度や気質の面で、別の国であるといってもいいらしいからな」
「そうね、かなり違いがあるわね」
「風土が違うと、食生活や生活慣習にも違いが生じてくるだろうな」
「南イタリアの大地は、日差しが強すぎて乾燥しているから、農産物をはぐくむには厳しいらしいわ」
「アベニン山脈からの水資源が豊富だと思っていたけど、問題は土壌だな」
「南の農業は、オリーブを除いて恒常的な不作みたいよ」
「北と比べて劣っているわけだ」
「でも、イタリアの食料自給率は62%よ」
「日本よりはるかに高いな」 
カナダ、アメリカ、フランスは、100%超えているわね」
「日本の農業政策は、どうなっているんだ。イタリアより劣るということは、努力不足だな」
いつの間にか、食料問題に話題が脱線している。
明るい太陽の下に住む南イタリアの人たちは、陽気で調子が良く、パフォーマンス豊かなのね」
春子が話題を変えてきた。
「でも、・・・」
真人は、ここではっと気付いて、声を落とした。
二人の言葉はここでは通じないはずだけど、イタリア人が聞き耳を立てているといけないと思ったからだ。
「・・・彼らは時として、いい加減で信用できないと見られているよな。以前新聞で報道されていたけど、南イタリア地方のレストランで、ぼったくりに遭ったそうじゃないか」
「以前からそういう話はよく聞くわ」
「言葉が通じない日本人がターゲットになって、狙われているのだろうな」
「言えているわね」
日本は島国だから、そこで育った人間には、他国の人たちも同じに見えてしまうのだろう。
真人も、今回の欧州出張で多くを学びつつある。
EU域内の国々が持つ伝統や文化、長い歴史を捉えながら行動することの大切さを知った。
posted by シーサン at 15:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月06日

310.イタリア国内のハブ駅

列車が、アベニン山脈の長いトンネルを抜けると、大きな街の姿が目に飛び込んできた。
赤茶色の屋根が連なる街は、歴史を感じさせる雰囲気が漂っている。
「ボローニャ中央駅に着いたわね、ボローニャはイタリア国内ではとても重要な鉄道自動車のハブ駅なのよ。空港もあるしね」
春子の声に、どことなくこの街を懐かしむ響きがある。
「何だか、降りて、寄り道したい雰囲気を感じるな」
真人は、春子の声につられて、降りてみたい気持ちに誘われた。
乗降客が多く、さすがにハブ駅らしいさが感じられる。
「わたしは、一度だけボローニャの街を歩いたことがあるのよ」
それが、春子の声に出ていたのだ。
「ひとりで、かい?」
「香識さんの案内で、母と3人で行ったの」
「どんな街なんだ」
「ボローニャは、美食の都と言った感じね」
「女性同士だと、食べ歩きをしたんだな?」
「そうなの。スパゲティのソースとして有名なボロニェーゼは、肉をベースとしたパスタ・ソースで、これが実にいい味なのよ」
「急に腹が空いてきたよ」
「あまり食べ物の話しをすると、真人は涎をたらしそうになるから、止めとくわ」
二人は、顔を見合わせて笑った。
「他の特徴は?」
「ボローニャ大学は、ヨーロッパ最古の大学なのよ。学生数は10万人くらい在籍しているそうよ」
「マンモス大学だな」
「ボローニャの人口が40万人くらいだから、確かに多いわね」
「大聖堂もあるんだろう?」
「大聖堂や教会が数多く見られるわね」
「この辺りは、第二次世界大戦の戦火を受けなかったのだろうな」
「幸い、伝統文化遺産は戦火を免れたみたいよ」
「列車から見ただけだけど、古い街の様子から、それが見て取れるものな」
「真人の会社のサイトに取り入れるべき街よ」
「そうか、やはり一度見ておきたいな。でも、当分その時間が取れないな」
欧州全域をくまなく見て回ることは出来ないから、真人が行けない所は、K社に依存するしかない。
だから真人は、明日以降訪問するK社と、訪問できない街に関して、詰めた話をしなければいけないと思った。
posted by シーサン at 13:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月05日

309車中の会話を楽しむ

真人は列車に乗ると、春子を窓際に座らせた。
すると、春子は、
「真人、窓際に座りなさい。わたしは、何度も来ていて、この路線の景色は見ているけど、真人は初めてだから、観たいでしょう?」
「そうだな、じゃあそうしてもらおうか」
そう言って、席を替わり窓際に座った。
「この列車は、イタリアを南北に走るアベニン山脈を横断して行くのよ」
「そうすると、イタリアは日本と同じような地形なんだ」
「そうね、似ているわね」
「山を越えて行くのかい?」
「アベニントンネルを抜けて行くのよ」
春子は、列車が走り出すと、真人にからだを寄せてきた。
「長いトンネルを過ぎると、すぐにボローニャに到着するの。そこでミラノ行きやヴェネツィア行きに乗り換えるのよ。この列車は直通だから乗り換えなしでヴェローナまで行くけどね」
「そうか、ヴェネツィアへも行ってみたいな」
「でも、今回は時間が取れないのでしょう?」
「そうだな」
「次の機会にしましょう。今度はいつ一緒に行動できる?」
「そうだな、年明けかなあ」
「あら、年内は無理なの?」
「年内の予定はすべて決っているし、授業に出たり、テストもあるからな」
「そうか、・・・それに、考えてみたら、わたしの起業準備にも力を貸してもらわないといけないからね」
そうだよ、春子の会社立ち上げは、真剣に取り組まないといけないからな」
「わたしの家に、入り浸りになる?」
「傍にいたら、直ぐ抱きたくなるから、仕事にならないよ」
「その合間に考えるのよ」
「無理だよ、だって、春子は直ぐに意識が無くなってしまうじゃないか」
「真人が、少し加減してくれれば、・・・」
春子は真人の手を握り、上目遣いになって笑った。
「それでいいのか?・・・」
「ああ、やっぱりだめだわ」
「そうだろう、・・・するときは、徹底してしないとな」
「何事もそうよね。わかったわ」
「急いで、決めることはないよ。春子とは長い付き合いなのだからさ」
「そうよね、一生付き合うんですものね」
「・・・」
「ね?・・・そうでしょう?」
「そうだよ、会社が軌道に乗ったら、仕事抜きで旅行をしようよ」
「そうね、そのためにもお互いに頑張りましょうね」
列車は、アベニン山脈に近付き、目の前に大きな山が迫ってきた。
posted by シーサン at 14:31| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月04日

308.再びヴェローナへ

翌日真人は、K社フィレンツェ営業所を訪れ、所長と一緒に市内の電鉄会社・バス会社などを訪問した。
ローマ所在の電鉄会社の営業所や系列会社があるのでそれらを回り、話しをすると提案内容に異論がなく、すべてが順調に訪問の目的を果たすことが出来た。
これらは、ローマでの実績がものをいったのであろう。
K社の事前の根回しも効果があったことは言うをまたない。

春子は、フィレンツェにあるスポーツフィットネスジムやスイミングプールなどのスポーツ施設を幾つか回り、その指導法などを視察することになっているので、終日それら施設訪問に充てられていた。
真人は、仕事を終えると、大きなカフェへ入りPCをテーブルへおいて仕事の結果や、社内ブログの確認と入力を済ませ、前日のメールへの返信などを行った。

春子から連絡が入ると、二人はホテルで落ち合い、預けておいた荷物を受け取り、フィレンツェ駅へ向った。
そして、ヴェローナ行きの特急列車に乗った。
「明日、ヴェローナでも、春子は終日忙しそうだな」
春子は、ヴェローナでバレエ学校へ行ったり、演劇学校を訪問する予定になっていることを聞いていたけど、改めてその確認をした。
「そうなのよ、真人とは別行動になるわね。真人も仕事でしょう?。何時頃終わるの」
「夕方までかかりそうなんだよ」
「じゃあ、早く終わった方が先にホテルへ行って待っているようにしましょうね」
「そうしよう」
真人は、エレナの家に行くことにしている。
このことは、春子には内緒なのだ。
真人は、カフェでエレナに明日朝訪問することを電話で話をしておいたから、心待ちにしているのだ。
posted by シーサン at 14:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月03日

307.恍惚となり夢の世界へ

料理体験ツアーは、さまざまな国の人たちの参加で、和気藹々のうちに終わった。
男性は真人のほかにもう一人だけで、あとの数十人が女性であったから、殊更に賑やかであった。
男性シェフの、ユーモアを交えた豊かな表現力にも参加者が惹かれ、場が盛り上がった。
真人は、このシェフから調理にたする対する心構えや、心の込め方、入れ方を教わった。
心を込め作る料理には、美味さまでもが食べる人に伝わっていくものなのだ。
また、盛り付け方一つをとっても、決して疎かにしていけないことを知った。
家庭料理は、食材の特徴を生かし、工夫を凝らして作ることも大事なのだ。
真人と春子は、終わった後ホテルへ帰る道中、料理の話で持ちきりになった。
「今日は、充実した1日だったな」
「見るところは観たし、料理の腕も揮えたし、真人が満足してくれたから、わたしもうれしいわ」
「春子のお蔭で、楽しい時間が過ごせてよかったよ」
「そうお、そう言ってくれると、うれしいわ」
ホテルへ戻り、1日の汗を洗い流して寛ぐと、二人はベッドへなだれ込んで抱き合った。
共に過ごした時間の充実した気持ちが、そのままベッドに持ち込まれたから、肌が触れ合うとからだが燃え上がるのは早かった。
熱い思いが伝わってきて、春子のからだの動きが激しさを増した。
いつもよりも積極的な行動に出て、真人のからだに絡み付いてきた。
真人の濃艶に満ちた愛撫が終わると、春子は上になり69でからだを揺らし続けた。
そして、深く交わると、あとはお互いの気持ちの高まりと共に、夢の世界へと誘われていった。
二人は何もかも忘れて恍惚となり、心地良い肌の感触と、からだの中の激しい動きを感じあった。
posted by シーサン at 14:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月02日

306.楽しい予感

ピサ観光からフィレンツェへ戻ると、ナイトツアーに参加する時間になっていた。
「春子の言うとおり、ちょうどいい時間だな」
「タイミングが良かったわね」
集合する場所へ向いながら、二人はツアー参加を楽しみに、軽快な足取りになっている。
「それにしても、本場イタリア料理を、手軽に教わるツアー参加とは、よく思いついたな」
「真人も料理好きだから、喜ぶだろうと思って計画していたのよ」
春子はそう言って、真人の腕につかまった。
イタリアで本格的なイタリアンを学べるのだから、素晴らしいよ」
「プロの料理人の指導で、トスカーナの伝統的料理を教わるのよ」
これは春子が、今度のこのツアーで是非経験したいと思っていたことの一つなのだ。
この料理体験から得るものは何か、それは分からないけど、「美と健康」を掲げて教室を開く限り、さまざまな分野をからだで体験することが大事だと思っている。
「終わったあと、それを食べるのかい?」
「そうなの。調理後はトスカーナワインで、参加者が作った料理でディナーを楽しむのよ」
「他の国からの参加者と一緒に、料理とディナーを楽しめるのだから嬉しいな。ワクワクしてくるよ」
二人は、満面の笑みを浮かべて、頷き合った。
posted by シーサン at 13:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月01日

305.期待に胸が膨らむ

真人と春子が、フィットネスクラブで出会ってから、既に数年が経っている。
そして、親しく付き合いだしてからも長い年月が過ぎている。
それでも、こうして二人だけで長い時間過ごすのははじめてである。
お互いを理解し合っているようでいて、気付かないでいたことも多々ある。

特に真人は、会社を起してから多く社会人と出会うようになって、考え方に幅が出来、社会の見方も変わってきたので、春子から見ると、その成長振りが良く分かる。
何気ない会話の中にも、真人の成長を感じることがしばしばなのだ。
このツアーを企画した時は、春子は自分が良く知っているイタリアを案内しながら、楽しい時間を過ごしたいと考えていたけど、いつの間にか真人の仕事にかかわり始めている自分を知って、驚きを感じているのだ。
真人は、行動する中でさまざまな機会を捉えて、ものにするのが上手い。
人を惹きつける能力にも長け、出会う人を巧みに取り込んでしまう。
それは、真人自身のメリットになるだけでなく、相手にも与えるものが多いから、自然と相手も引き込まれていくのだろう。
春子は、その真人の能力を、これから展開する自分の事業に、是非取り入れたいという思いが、強くなってきた。
春子が計画して進めている会社に、真人が関わることを既に決めているけど、次第にその存在感が高まってきた。

春子が立ち上げる会社は、女性専用の「美と健康」をテーマにした、理想的なからだ作りである。
その基本になる「心とからだのバランス感覚」を身に付けさせることが大事なのだ。
それには、女性の心を巧みに掴みとってしまう真人の魅力を、カリキュラムに導入したい。
春子は、レクチャー方式よりもフリートーキングの談話会方式が良いと思った。
真人はその中心的な存在になるだろう。
世界へ視野を広め、積極的に仕事に打ち込んでいる真人の経験は、春子の構想の重要なウェイトを占めることになる。
春子は、真人の後ろから付いて歩きながら、期待に胸を膨らませた。
posted by シーサン at 12:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月31日

304.ピサの斜塔

フィレンツェの主な観光施設を見終わると、春子の案内でレストランへ入り昼食をとった。
ディナー付きナイトツアーまでの時間を利用して、ピサへ行って見ましょうね?」
「時間は、間に合うのかい?」
電車は、往復2時間程度の乗車時間だから、向こうでの観光時間は十分あるわ」
観光ルートも所要時間もすべて春子の頭の中に入っているから、真人は任せられるので気楽で良い。
食事が済むと、二人はピサへ向う電車に乗った。

世界遺産に登録されているピサの外れにあるドゥオモ広場を訪れた。
ここに建つ、洗礼堂、大聖堂、鐘楼、墓所回廊の4つの建物は、どれも素晴らしい。
「ここへ来て見て、ピサの繁栄を象徴した建物群であることが、よく理解できたよ」
「他で見てきた聖堂とは、全く違う趣のある造りだわね」
「一見シンプルな造りのように見えるけど、よく観察すると重厚で、手の込んだ細工が随所に施されていて、惹きつけられるな」
「その辺りを上手く表現した言葉で、ナレーションする必要があるわね」
「ピサのドゥオモ広場は、奇跡の広場という意味らしいけど、そのことも触れて欲しいな」
「そうしましょう」
二人は、大聖堂を眺めながら一周し、斜塔として有名な鐘楼の所まで来た。
「ここの地盤は、アルノ川が運んできた砂地が含まれているから軟弱らしいな」
「それで、傾いてしまったのね」
「どのくらいの傾斜になっているのかなあ」
「塔の傾斜は、当初1.8mであったのが、現在は、中心線から南に向って約4m 、角度にして約5度傾いているそうよ」
「そうか、大勢の観光客が毎日訪れると、更に傾斜が進むのかもしれないな」
そう言いながらピサの斜塔を眺めた後、二人は中へ入り見学した。
posted by シーサン at 13:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする