2009年07月14日

195.通じ合う心

食事をしながら、ナンシーは真人の家族のことを知りたいと言った。
真人は、両親を亡くしひとりになったときまでのことをナンシーに話した。
隠すことは何も無い。真人は、いつでも、誰とでも、ありのままの自分をさらけだすようにしている。
ナンシーは、真人の話を聞きながら、驚きを隠せない表情になり、話し終わると、言葉を詰まらせた。
そして、「初めて会ったときから、明るいあなたの表情には、一人でいるかげりは全く感じられませんでしたので、幸せな家庭を想像していました」と言って、真人の手をつかんだ。
ナンシーは、真人にいくつかの質問をしてきた。
真人は、ナンシーの質問に応えながら、ゲームソフトの開発や会社設立までの経緯を話し、周囲にいる人達の温かい支援で、生活してきたので、孤独感に陥ったことがないことを伝えた。
ナンシーは、大きく呼吸して頷き、食事がすんだら、わたしの住まいに来てくださいと言った。

食事を済ませると、ナンシーは、
「私の住まいはこの近くなのよ。電車で5分のところです」
と言って、真人を誘った。
「行っても本当に良いんですか?・・・」
「良いのよ、来ていただきたいのです。ここでは、周りが賑やか過ぎて、落ち着かないわ。家でゆっくりお話しをしたいの。・・・」
「それでは、わたしもあなたと、ゆっくり話したいことがありますから、よろこんで伺います」
「あなたのこともっとたくさん知りたいし、あなたも私のこと知りたいでしょう?」
「知りたいです。沢山、・・・」
「いいわ、あなたにわたしの全てを知ってもらいたいわ。何もかもよ、・・・」
「?・・・・・」
真人が口にしようとした言葉を遮るように、ナンシーは潤むような目で「分かったわね」と合図してきた。
真人は、目で頷き、ナンシーの誘いに応えた。
posted by シーサン at 13:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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