2009年07月15日

196.求め合う二人

市内を走るトラムが坂を上りきり、停車した駅から歩いて10メートルくらい先を、右手へ入った少し高台の道路に面した5階建てマンションがナンシーの住まいであった。
この付近一帯は、チューリッヒの中心街に位置するので、ホテルや瀟洒なマンション、高級住宅などが建ち並んでいる。
中心街の会社勤務には好立地であるから、海外からの駐在員などにも好評なのであろう。
もしかしたら美樹もこの辺りに住んでいるのかもしれないと、真人は思った。
マンションに入口のところで、ナンシーは「ここよ」と言って立ち止まった。
「会社までは近いから、通勤には便利なところにあるのですね」
「そうなのよ。朝は歩いて通っているの。下り坂でしょう。会社まで15分くらいで行けるからね。でも帰りは電車にしているの」

部屋に入ると、ナンシーは真人に抱きつきキスをした。
真人は思わずナンシーのからだを抱きしめた。
ナンシーの甘いからだの香りがする。
唇を合えせると、真人はナンシーの甘く柔らかな唇を吸った。
ナンシーは、舌を差し込んできた。お互いの舌を絡め合い、二人きりになった喜びをかみしめた。

ナンシーと真人が、初対面直後からお互いに感じていたものがかみ合い、期待していた時間が訪れたのである。
真人はナンシーの美しく魅力的な顔立ち、大きく豊かなからだに一目惚れしていた。
ナンシーも真人の逞しさと誠意ある態度から、好意を感じていた。
男と女は、会ったときの印象が大きく左右する。
以心伝心で、気持ちは伝わっていくものである。
真人とナンシーがまさにその通りの関係になっていった。
お互いの求めるものが自然とつながったのである。
どちらかが強く誘いをかけたわけではない。
自然の成り行きなのだ。
posted by シーサン at 12:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: